開放F値が2.8で一定の、描写力に優れた大口径ズームレンズ
開放F値は明るい2.8で一定。極めて高い光学性能を実現したズームレンズです。撮像範囲の広いFXフォーマットで画面のすみずみまで高い描写力を発揮。ナノクリスタルコートの効果で、逆光気味の状況でも、ゴースト、フレアの少ないクリアーな画像が得られます。
色にじみ、色収差を効果的に低減する
光は波長ごとに屈折率が異なるため、レンズを透過した光が色ごとに焦点がずれる現象が生じます。これが色収差で、画質低下の要因のひとつです。色収差を抑えるために、色による屈折率の差が小さい凸レンズと色による屈折率の差が大きい凹レンズを組み合わせて色収差の発生を抑える設計を行います。しかし通常の光学ガラス製レンズの組み合わせでは赤領域の光 と青領域の光のずれは補正できても、それ以外の領域の光のずれは補正できません。これが残存色収差= 2 次スペクトルです。 ED レンズは、ニコンが世界に先駆けて開発した、プリズムの色分解作用を少なくするED(特殊低分散)ガラスを使用したレンズです。ED ガラスは低分散で、しかも結晶素材の蛍石のように異常部分分散性を有し、2 次スペクトルの低減が可能。通常の光学ガラス使用のレンズでは焦点距離が長くなるほど補正が困難になる焦点ずれを効果的に低減します。
ディストーションや球面収差など諸収差を効果的に補正する
片面または両面に球面でない曲面を持つ非球面レンズは、ディストーション(歪曲収差)や球面収差などさまざまな収差を効果的に補正可能。特に広角系のレンズで問題となるディストーションのコントロールに大きな効果を発揮します。ディストーションは、被写体がレンズを通して結像する際、像高(画面中心からの距離)によって倍率が異なるために生じる収差(像の歪み)で、レンズ中心周辺から非球面を用いて連続的に屈折力を変化させることで補正できます。また、非球面レンズ1枚で、複数枚の球面レンズに相当する収差補正効果が得られるため、球面レンズに比べてレンズの小型化や軽量化に大きく貢献しています。 ニコンは1960年代に世界に先駆けて非球面レンズの設計理論、加工技術を確立。1968年には非球面レンズの特性を活かしてディストーションをコントロールする、世界で初めて非球面レンズを採用した35mm一眼レフカメラ用交換レンズOP Fisheye-Nikkor 10mm F5.6(正射影方式魚眼レンズ)を発売しました。その後も数多くのレンズに非球面レンズを採用し、レンズのコンパクト化、優れたコントラスト・描写性能を実現しています。
中間のレンズ群を駆動してピントを合わせる方式
レンズ系を前・中間・後群に分割し、中間のレンズ群のみを移動させてピントを合わせる方式です。フォーカシングによる収差変動が減少し、またレンズ駆動時のトルクが軽く、フォーカス時の保持バランスに変化がありません。また、AFレンズでは合焦スピードの高速化にも貢献します。(光学系の特性上、撮影距離が短くなるにしたがって焦点距離が短くなります。)